当院の歯列育形成では、早い子で3歳過ぎくらいから、
遅い子でも8歳過ぎくらいから矯正治療を始めています。
開始年齢のバラつきは、お母さん方が子どもの歯並びに不安を感じる時期が異なるためです。
対して、歯列育形成の終了は多くの場合12歳前後です。
これは乳歯から永久歯への生え変わりがほぼ完了し、きれいな歯並びになったと判断できるのが、だいたい時期だからです。
治療期間が長いと感じる方もいると思いますが、
これは歯列育形成が子どもの成長や歯の生え変わりを利用しておこなう小児矯正だからです。
歯が生える時期は部位によって決まっており、無理やり生えさせることはできません。
アゴが間違った育ち方をしないようプレートという矯正装置を使ってサポートしながらキレイな歯並びと正しい咬み合わせを目指していきます。
歯に大きな力を加えて無理やり動かすといったような痛みが先行する矯正もしません。子どもが本来持っている自然な成長を促す治療、それが歯列育形成です。
一般矯正、いわゆる成人矯正の場合
例えば4歳の子どもの歯並びが気になると歯科医院に連れて行くと、
「治療を始めるにはまだ早いので、様子を見ていきましょう」
と言われるかもしれません。
しかし、これは第一小臼歯(永久歯)が生える10歳~11歳になるまで待つためです。
つまり抜く歯(スペースを空けるための歯)が生えてくるのを待つわけです。
成人矯正では子どものアゴの成長を考慮しない場合もあるのです。
アゴが充分育たなかったから歯並びが悪いのに、その小さなアゴからさらに歯を抜いて歯並びをキレイにすることが本当に第一選択と言えるのでしょうか・・・
歯列育形成と一般矯正の違いの説明が長くなってしまいましたが、
ここからが本題の矯正治療の流れです。
当院の通常の歯列育形成の流れになりますので、参考としてご覧ください。
まず最初に、お子様の歯並びについて気になることをお聞きします。
その後、お口の状態を診ます。
歯列育形成に興味を持って来院される方が多いので、
当院の歯列育形成について、治療方法や治療した場合の見通し、費用などについてもご説明します。
お口の詳細検査・歯型採取・模型製作・レントゲン撮影・写真撮影などをします。
乳歯列弓の形 |
上下顎の前後的位置関係 |
将来的な永久歯配列のスペース不足(discrepancy)を計測 |
永久歯の先天性欠如の確認 |
むずかしい専門用語は使わずに、
できるだけわかりやすい言葉で治療計画を説明します。
プレートは取り外し式の矯正装置を製作します。
数年間の矯正治療中、
成長やお口の状態、治療計画に基づいてにプレートを上下5回づつ作り直します。
(作り直しの回数はお子さんのお口の状態によって増減します)
プレートの使用方法、管理方法などをご説明します。
始めての装着になるので、スタッフのお姉さんと着脱方法を練習します。
矯正治療中は2週間に1回の通院が必要になります。(継続管理)
歯列弓の形態 |
上下顎の位置関係 |
永久歯配列のスペース不足(discrepancy)の確認 |
萠出中または萠出前の永久歯の状態 |
お子さんの歯並びや成長状態によってはプレートを再作成します。
また、継続管理中は虫歯の予防処置にも力を入れ、虫歯0(ゼロ)を目指します。
矯正終了は永久歯が全て生え揃い、歯並びやアゴの安定を確認してからになります。
早くても11歳以降くらいまでは継続管理による矯正が必要になります。
矯正終了となっても、まだまだお子さんの成長は続きます。
定期健診によって歯並びを見守り、
万が一、歯並びに異常が見られた時は保定装置などを使用して、
きれいになった歯並びの継続を図ります。
また、定期健診では虫歯の検査や予防処置もおこないます。
未来に向けて子どもたちのお口の健康を守るのが定期健診です。